ARCHIVE | R111 | 1999-2001

ARCHIVE | R111 | 1999-2001

アートラボ第5回プロスペクト展「R111 —仮想から物質へ」
Michael Saup & supreme particles

2001

R111 | 1999 | 10^0 + 10^1 + 10^2

アーティスト:ミヒャエル・サウプ+supreme particles(ドイツ)
会期:2001年6月1日 – 17日
会場:スパイラルガーデン(東京・南青山)
主催:キヤノン株式会社アートラボ
後援:ドイツ連邦共和国大使館、東京ドイツ文化センター
協力:株式会社ワコールアートセンター、ファストネット株式会社
協賛:日本SGI株式会社、キヤノン・スーパーコンピューティングS.I.株式会社。ハーマンインターナショナル株式会社
キュレーター:阿部一直+四方幸子(キヤノン・アートラボ)

「R111」は、人の動き、磁気やシリコンオイルなどの物質の形態変化やそれらとリンクした仮想空間、そしてインターネットなどを領域を超えて稼働する潜在的エネルギーと見なし、エネルギーが様々な形で転移していく様を視覚・音響的に体験させる作品である。
フロア上で体験者が動くと、水のような波紋がサウンドを伴い揺らぎ、触覚的に迫ってくる。体験者の動き、会場の端末や遠隔からアクセスする参加者の操作、ウェブロボットが無作為に抽出したホームページの情報などがエネルギーとして分析され加えられていく。
正面のスクリーンでは、それらエネルギーが統合されたCGによる<仮想>世界が変動していく。情報空間上のエネルギーは、会場に設置された磁場を視覚化した装置(磁気モジュール)やシリコンオイルの波紋(リキッドモジュール)の形態変化へ伝搬していく。
「R111」では、様々な要素:物質/テキスト、現実/仮想空間が複雑に絡み合い、エネルギーが循環し転移する様が表現される。本作はサウプと彼が率いるsupreme particleによる同名作品を、キヤノンとのコラボレーションによって特別なバージョンアップ版としたもの。「R111」は、1920年代のオスカー・フィッシンガーの実験映画「R1」と二進法で7を表す「111」による造語。サウプは、フィッシンガーと二進法の発案である哲学者ライプニッツを、あらゆる存在が情報化されていく現在のマルチメディア・ネットワークの発想の先駆と見なしている。

*本作のウェブロボットによるインターネット検索は、キヤノンが開発した知的情報検索技術を加えることで、新しいバージョンとした。またキヤノンのライブ映像発信システム「WebViewLivescope」を使い、体験者が作品形成に関わった様子をインターネットユーザーが遠隔的に体験することができた。


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「キヤノン・アートラボ」は、科学と芸術の融合による新たなアート領域の創造をめざす実験的な場として1990-2001年に存在したキヤノン株式会社の文化支援プログラム。アーティストとソフトウェア・エンジニアとの約10カ月のコラボレーションによりメディアアートの新作を発表、それらの多くが国内外を巡回、アップグレードも継続的に行った。実施した展覧会は、合計17(企画展10、海外から作品を招聘するプロスペクト展5、オープン・コラボレーション展1、特別展1)。その他にカタログを始めとした出版、シンポジウムやトーク、機器サポート、資金サポートなどを行なった。

http://yukikoshikata.com/al-pros5-r111-%E4%BB%AE%E6%83%B3%E3%81%8B%E3%82%89%E7%89%A9%E8%B3%AA%E3%81%B8/